顎関節症
- Q顎関節症は自然に治りますか?
- A軽度の場合は自然に改善することもありますが、再発防止のため原因を取り除くことが大切です。
- Qマウスピースは保険適用ですか?
- Aはい、症状に応じて保険適用可能です。
- Q矯正で改善できますか?
- A噛み合わせが原因の場合、矯正治療で症状が改善するケースもあります。
- Q顎関節症は歯ぎしりと関係ありますか?
- A強く関係しています。歯ぎしりや食いしばりは関節や筋肉に大きな負担をかけます。

顎関節症は、あごの関節やその周囲の筋肉に異常が生じ、口を開けにくい、あごを動かすと音がする、痛みがあるなどの症状が現れる病気です。
あごの関節は、耳のすぐ前にあり、口を開閉したり、かみ合わせを維持したりする大切な役割を担っています。
顎関節症は、放置すると症状が悪化し、食事や会話に支障が出るだけでなく、頭痛や肩こりなど全身に影響が及ぶこともあります。
主な症状
口を開け閉めすると「カクッ」「ジャリッ」と音がする
口が大きく開けられない(指2〜3本分以下しか開かない)
あごを動かすと痛む
噛み合わせが変わった気がする
食事中にあごが疲れやすい
頭痛・首や肩のこり・耳の痛みや違和感
これらの症状が長期間続く場合は、早めの受診が望まれます。
顎関節症の原因

顎関節症は、1つの原因だけでなく、複数の要因が重なって起こることが多いです。
噛み合わせの不良
歯並びやかみ合わせが悪いと、関節や筋肉に負担がかかります。
歯ぎしり・食いしばり
就寝中や日中の習慣が、関節や筋肉を疲労させます。
ストレス
精神的緊張が筋肉のこわばりを引き起こします。
外傷
あごや顔への打撲、長時間の開口(歯科治療やあくびなど)が関節に影響します。
生活習慣
片側で噛む癖、頬杖、うつ伏せ寝なども原因になります。
顎関節症の種類
顎関節症は大きく4つに分類されます。(複数が同時に起こる場合もあります)
1.咀嚼筋障害型
あごを動かす筋肉の緊張や炎症が原因。
2.関節包・靭帯障害型
関節を包む袋や靭帯の損傷による炎症。
3.関節円板障害型
関節内のクッション(関節円板)がずれて動きが制限される。
4.変形性関節症型
関節の骨が変形し、動きやかみ合わせに影響が出る。
顎関節症の診断方法

当院では以下の流れで診断を行います。
問診
症状の経過や生活習慣を丁寧にお聞きします。
視診・触診
開口量や関節の動き、音の有無、筋肉の状態を確認します。
画像検査
必要に応じてX線やCTを用いて関節や骨の状態を詳しく調べます。
顎関節症の治療法

顎関節症は多くの場合、手術を行わずに改善が可能です。
当院では症状や原因に応じて、以下の治療を組み合わせます。
生活習慣指導
頬杖・片噛み・うつ伏せ寝などの悪習慣を改善します。
スプリント療法(マウスピース)
就寝時に装着し、関節や筋肉の負担を減らします。
理学療法
あごや首周りの筋肉を温めたりストレッチしたりして血流を改善します。
ボツリヌス療法
ボトックス注射を行い、筋肉の緊張を和らげることで症状の改善を図ります。
かみ合わせの調整
歯の高さや噛み合わせを整えます。
セルフケア

治療と並行して、日常生活でできるセルフケアも重要です。
硬い食べ物や大きく口を開ける動作を控える
あごのストレッチ・マッサージを習慣化する
歯ぎしりや食いしばりを意識して減らす
姿勢を整え、首や肩の緊張を和らげる
十分な睡眠とストレス対策を心がける
放置するとどうなる?
症状が軽いうちは自然に改善することもありますが、放置すると慢性化し、関節の変形や強い痛み、口が開かなくなるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、噛み合わせや歯の摩耗、全身の不調につながる場合もあるため、早期の対応が望まれます。
当院の顎関節症治療の特長

患者さまの生活習慣や全身の健康状態まで考慮した治療計画
マウスピース製作から生活指導まで一貫して対応
必要に応じて口腔外科(東京科学大学)や整形外科と連携
予防歯科と組み合わせ、再発しにくい環境づくり
よくあるご質問(Q&A)
さいごに

顎関節症は、早期に適切な対処を行えば多くの場合、改善や症状の軽減が可能です。
当院では、原因を丁寧に分析し、患者さま一人ひとりに合った治療と生活指導を行います。
「口を開けにくい」
「あごから音がする」
「食事中にあごが疲れる」
などの症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。